1995年 おばあちゃんのアロマテラピー!!
お寺の拝殿の大きな香炉の前でおばあちゃんたちが線香の煙を身体に撫で付けている光景を目にします。
あれは何をしてるのでしょう。
その煙を身体の悪いところに当てると治るのだそうです。本当に治るの・・・?
線香のルーツは江戸時代初期にさかのぼりますが、中国から長崎、堺辺りに製法が渡来したとされます。
それがやがて杉の産地の日光などで線香を作るようになったと言われています。この愛知県の辺りでは三河の山中で杉の葉を取っていました。
でも、タブの木を原料としている一般の線香と違い、あの線香は通称「駄線香」といわれて、杉の葉を原料にしています。
煙くて匂いは強く、目が痛くなるので普通の室内では使えません。
でも、日本ではいつの頃からか杉の葉には殺菌効果があることが知られていて、現在でも仕出しのような折り詰めの中に生ものの辺りに杉の葉を見ることがあります。
これと同様にこの殺菌効果の効能を「邪気を払う」たとえに利用した線香が実は杉の葉を原料にした「駄線香」だったのです。
「駄」とつくとすぐ安価だとか、値打ちないように受けとられますが、線香の場合はけっしてバカにできません。
「香」が日本に伝来してからずーっと「薬」でいた香薬効果のお話でした。