お香の春香堂 創業99年信頼の実績 お香の春香堂 創業99年信頼の実績

香木

春香堂の沈香樹植林の20年の取り組み

1992年、春香堂はベトナムからの沈香香料輸入の折、同国カンホア省で沈香樹の植樹計画を知り、日本の協力業者を探す手伝いをすることになった。
それは日本政府の海外援助ODAを目的としていた。

2年ほどいろいろ当たってみたが、残念ながらなかなか見つからなかった。

その理由としては当時の政府機関では沈香という香料が殖産事業として一般的でないことが上げられた。
民間企業においては投資に対して「回収が確実でないこと」などが協力業者が見つからない大きな理由だった。

また当時は沈香樹の研究者もなく、植物の学術的な書籍・論文も皆無だった。現地の人すら知らない状況にあった。

ちなみに現地で沈香を知る人さえ「チャム・フン 香木という意味)」と呼び、いいお金になる木くらいの認識でしかなかったのだ。

※ベトナム語でチャム=木 フン=香り

沈香樹の植樹は、現地カンホア省林業局が森林伐採で開発の進む山々を元の姿に戻すという壮大なプロジェクトの中の1つだった。
1990年当時のベトナムは戦後の復興期だったため、そのような自然を取り戻すプロジェクトに公的予算が取れる状況ではなかった。

1996年、日本の沈香木を必要とする志野流香道家元に沈香樹を植樹してもらうことを提案した。
林業局側はそれを起爆剤に、沈香樹をカンホア省の名産品にするという案に導いてくれた。

志野流香道家元と相談の上、沈香樹の植樹が実現化することとなり翌1997年5月に志野流香道 二十世家元 蜂谷宗玄宗匠にカンホア省で植樹をお願いした。

下準備の手配などは春香堂の小川薫と、林業局副局長Khanh氏で進めた。

植林する志野流香道二十世家元蜂谷幽光斎宗玄宗匠
ベトナム中南部山中の急斜面に沈香樹を植える
志野流香道家元
契約書
カンホア省林業局との契約書

志野流香道家元の植樹は地元テレビ局の取材も入り400年の日本の伝統芸道、香道の第一人者が沈香樹を植樹とニュースになった。

そのことは翌年に林業局が多額の予算を獲得でき、カンホア省全体の森林再生に寄与できたことだった。

Khanh氏は林業局退職後、カンホア省沈香協会の会長を務め現在に至っている。

また、およそ10年後の2008年にはカンホア省の省都ニャチャンに沈香樹の種子をイメージしたシンボルモニュメントが海岸線に建立され、カンホア省はベトナムでも有数な沈香香料の生産地と位置づけられた。

インセンスタワー
インセンスタワー
沈香の枝
沈香樹の枝
ラベル
1995年頃の植物学名
沈香の種
沈香樹の種

ベトナム沈香樹Aquilaria Crassnaは現地名「ヨウ・バオ」といいベトナム国全域で、標高15m~400m程の丘陵地に植樹されている。
※1990年代にはほぼ天然沈香樹の自生は姿を消している。

沈香樹は英語名でAgar woodともAloes woodとも呼ばれ、ベトナム現地語は「ヨウバオ」またインドネシアやマレーシアの現地語では「ガハル」と呼ばれている。

種類と学名

  • Aquilaria Malacensiss インドシナ半島全域でもともと自生している種
  • Aquilaria Crassna ベトナム全域、ラオスの植林樹
  • Aquilaria Cinensiss 中国広東省、広西省、海南島原産
  • Aquilaria Micro Carpa インドネシアカリマンタン島、マレーシアボルネオ島
  • Aquilaria Gyrinoph インドネシアジャワ島以東、ニューギニア

90年代まではいくつかをまとめてAquilaria Agallocha Roxb.と称されていたが、2002年にできた世界沈香学会で20種類程の学名が10種類程に整理され、現在に至っている。

ワシントン条約のmark
CITES(サイテス)のロゴ(日本ではワシントン条約という名称で有名)

ワシントン条約(絶滅危惧種保全機構)という名称で有名

1990年代前半から伐採量が増え、東南アジアの野山から沈香樹が激減したことから、1995年沈香樹もワシントン条約で絶滅危惧種第二類に指定され、
2005年からは輸出入にCITES(サイテス)の認可が必要になった。

しかしこのことは同時に東南アジア全域の沈香香料の採取地域、商取引などに大きな変革をもたらすこととなり、春香堂はそれに対応するため2007年より系列会社インセンツ株式会社を海外事業の専門部門とし、 沈香樹の調査や売買にあたった。
2016年にはベトナム カンホア省カンヴィン地区にベトナム沈香樹研究所を設けた。

カンホア省にある春香堂の研究所
春香堂インセンツ ベトナムアキラリア研究所

沈香樹研究についてYOUTUBEに動画を上げています。

アキラリア研究所の報告は一部YOUTUBEに上げて公開しています

ぜひご覧ください。

沈香の生成について

春香堂インセンツは今後も沈香、伽羅の生成過程を解明していく予定です。

沈香の生成については既に8割程度解明できています。当然、品質のレベルの度合いも増していける可能なところまできています。

現在の課題は、既存植樹種で対応していくか、また新たな植樹をするか検討中です。ご期待ください。

またベトナム国内のみならず、東南アジア全域で某社の沈香生成剤を利用した沈香樹を見受けます。
これは沈香樹の生育にも影響し、沈香香料の生成においては天然とは異なる性質の香りを含む事象があります。一度利用した沈香樹は元に戻すことができません。
当然、沈香香料を取り扱う業者としても注意が必要と感じています。

伽羅の生成について

伽羅の生成については、まだまだ確定的要素の解明ができていません。
先頃中国で伽羅樹の接ぎ木と生成の成功の話を聞いていますが、植物学的信頼性に乏しく、専門家の間でも意見が分かれています。

今後は春香堂インセンツも伽羅の生成の不思議に取り組む予定でいます、ご期待ください。

2020/06/30

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